映画『アコークロー』好調のスタート

『アコークロー』が初日を迎えました。ホラー映画というのは、それなりに手堅い客層はいるけれど、それ以上に広がりにくいという特性があります。俗に言うジャンル映画っていうやつですね。いかにご当地映画でも、けっこうシビアな集客も覚悟していました…が、フタを開けてみるとお客さんが来るわ来るわ。初日の舞台挨拶は2回目の上映後だったので、その回に集中するかと思いきや、1回目の上映から人が押しかけてきました。しかも、ホラー映画ターゲットの中高校生(桜坂劇場では少数派)から、ホラー映画など観ない高齢者(桜坂劇場最大与党)までやって来る盛況ぶり。ジャンル映画の枠を超えた幅広い層が動いているという好調スタートとなりました。
それだけ入ると、見終わった人の反応も気になりますが、「怖かったー!」から、「感動した!」まで、おおむね好感触。正直言って『アコークロー』は新人監督のデビュー作だけあって、シナリオなどに難がないとは言いません。でもこれだけの観客を納得させる力を確実に持った作品ということはまちがいでしょう。つまり「怖い」けど「感動する」映画としてうけいれられたってことです。いたずらに人を怖がらそうとしているだけでは、こんな感触はありません。昼から夜に移ろうように、人の心に魔が差していく恐怖を描いた『アコークロー』は、心の闇をえぐり出すだけでなく、その闇の向こうに再生への切なる希望を模索する優しさを備えているのだってことが、お客さんに伝わっているってことじゃないかと思います。
この作品は当初、どこでも撮れる内容の脚本(監督談)に、プロデュースサイドの沖縄的要素を加味しようと言う要望がプラスされてできたそうです。自主映画で自分の思い通りに作ってきた監督が、プロとして他者の要望を聞き入れる場合、混とんとした失敗作になる危険もあります。しかし結果として沖縄出身の監督に染みついた沖縄のアミニズム的感覚がもたらす、善悪を超えた世界観は「舞台が沖縄だからこそ成立した」と言える作品になり、世代を超え、ホラーというジャンルを超えて受け入れられた気がします。
先行してスタートした『恋しくて』ともども、大ヒットとなってくれることを期待いたします。
PS 初日舞台挨拶はエンディング『アカリ』を歌うji ma maさんのミニライブもあり、ぜいたくな気分で生歌に浸らせていただきました。堪能。

(ディレクター真喜屋)

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