エマの瞳

盲目の美女とプレイポーイの恋
暗闇の世界への招待状

ものすごく、セクシーな映画だ。盲目の美女エマが、主人公のブレイポーイ、テオを、彼女の世界へ連れていき、虜にしてしまう。
テオと観客は、エマと一緒にいることで、身体中の聴覚が研ぎ澄まされていく。エマは理学療法士で、彼女がテオに施術を施すシーンは、圧巻。毛穴という毛穴が、エマに触れているような気持ちになり、彼女の手の柔らかさ、温もりを感じ取ったような気になる。
盲目な自分を抱えて生きることの辛さや葛藤を、すでに乗り越え、自立した大人の女性エマが、目が見えるのに、光を知らないテオを、美しい世界へ導いていく。
人との距離をあえて縮めないように生きるテオにとって、惚れてしまったエマは、精神的にも物理的にも距離を縮める必要のある相手。自分の殻を破っていくテオの人間としての成長を見守ってほしい。人間。何歳になっても変われるーという勇気がもらえる。

©Photo by Rocco Soldini