ダンサー そして私たちは踊った

過去を脱ぎ捨てて踊り続ける、僕らしく。

ジョージアの国立舞踊団で、幼少期からトレーニングを積んできた主人公のメラブ。カリスマ的な魅力を持つ新星・イラクリとの出会いによってメラブの中に芽生えたライバル心は、やがて淡い恋心に変化していく。ジョージアにはシルクロード交易の中心地として栄えると同時に、絶え間ない他国からの侵略にさらされてきた歴史がある。そのためか保守的な思想が根強く残っており、トランスジェンダーや同性愛にもいまだ堅固な姿勢を保っている。そんななか二人の禁じられた恋は当然ながら紆余曲折を余儀なくされる。劇中で印象的だったのがクライマックスで伝統的な形式からだんだんと自由に舞い始めるメラブのダンス。そのしなやかな強さと独創性はまさにジョージアの若者たちの「今」を体現しているように感じた。自信と不安、力強さと繊細さ、愛と憎しみ、対極のものが入り交じることで生み出される格別な美しさでした。(U)

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