Introduction
タブーを打ち破るポジティブな官能性、富や名声に執着しない女優人生。
60’sフランスのファッションアイコンであり、女性解放の象徴。
ブリジット・バルドー、生誕90年のアニバーサリー・レトロスペクティブ。
無造作なブロンドヘア、スモーキーなアイメイク、大きな口とめくれ上がった厚い唇、バレエレッスンで鍛え上げられた身体。彼女の名前はブリジット・バルドー。愛称はBB(ベベ)。60年代を代表するファッションアイコンであり、タブーを打ち破るポジティブな官能性で、フランス女優として初の世界的大スターとなった。
バルドーは堂々と旧習を乗り越える、掟破りの存在だった。スクリーンの中でもプライベートでも、欲望に素直に従い、それを悪びれない。バルドー自身はフェミニストではないが、女性解放の象徴といえる人物だ。社会による性的抑圧を軽やかに跳ねのける、自由奔放な女性像を体現していた。だからこそ彼女の崇拝者の中には、フェミニズムの草分けとされる『第二の性』を著した作家・哲学者のシモーヌ・ド・ボーヴォワールや、18歳のときに『悲しみよ こんにちは』でセンセーショナルなデビューを果たした作家フランソワーズ・サガンらがいた。とりわけボーヴォワールはバルドーのことを「女性史を推し進める機関車」と呼び、戦後フランスで最初の、そして最も解放された女性として紹介した。
このたびの特集上映ではバルドーが今年9月に90歳を迎えることを記念して、バルドーの47本に上る出演作のなかから、貴重な50年代の初期作品から70年代までの主演作10本と、日本初上映となるドキュメンタリーの合計11本のラインナップで、その足跡をたどる。
上映作品
『恋するオペラ』 1955年/マルク・アレグレ監督 ※劇場初公開
『この神聖なお転婆娘』 1956年/ミシェル・ボワロン監督
『裸で御免なさい』 1956年/マルク・アレグレ監督
『花嫁はあまりにも美しい』1956年/ピエール・ガスパール=ユイ監督 ※劇場初公開
『殿方ご免遊ばせ 4Kレストア版』 1957年/ミシェル・ボワロン監督
『可愛い悪魔』1958年/クロード・オータン=ララ監督
『気分を出してもう一度』 1959年/ミシェル・ボワロン監督
『私生活 4Kレストア版』1962年/ルイ・マル監督
『ビバ!マリア』 1965年/ルイ・マル監督
『ラムの大通り』 1971年/ロベール・アンリコ監督
『ブリジット・バルドー 誤解』2013年/ダヴィド・テブール監督 ※劇場初公開
上映スケジュール
上映時間調整中