死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ
- 公開予定日
- 2026年03月14日(土)
- 作品情報
- 2025年/フランス・ドイツ/135分/R15+
- スタッフ
- 監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ
- 出演
- アウグスト・ディール/マックス・ブレットシュナイダー/フリーデリケ・べヒト
- 公式サイト
- https://transformer.co.jp/m/shinotenshi/
introduction
第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行い、<死の天使>と呼ばれたナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレは終戦後、イスラエル諜報機関モサドの追跡を逃れ南米での潜伏生活を続けていた。その知られざる日々と心の深淵を描き、昨年のカンヌ映画祭で絶賛された作品が『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』だ。
職場でのヨーゼフ・メンゲレはかっちりと制服を着こみ、常に微笑みを絶やさず、傍目には物腰の柔らかな人物に見えた。しかし一方で、この男は後年<ナチスが生み出した最大の悪>と形容される、恐るべき所業を行っていた。人類学者でもあったメンゲレは優生学に取り憑かれ、子供――特に双子たちに想像を絶する実験を重ね、ユダヤ人やナチスによって「非社会的」分子とみなされた人々を選別し、不要とみなした人間を次々にガス室へ送り込んだ。終戦後、メンゲレはヨーロッパと南米を結ぶ極秘ルート、通称“ラットライン”を使って逃亡。アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルと国を渡り歩き、複数の偽名を使いながら30年間にわたり己の罪から逃れ続けた。
本作は20世紀の最も衝撃的な実話のひとつを、メンゲレの潜伏生活に焦点をあて、息子との対話、モサドによる追跡を交錯させながら、アウシュヴィッツ収容所での〈過去〉はカラーで、〈現在〉はモノクロ映像で描くという、大胆かつ唯一無二の手法でスクリーンに蘇らせる。
フランスで最も権威ある文学賞の一つであるルノードー賞を受賞したオリヴィエ・ゲーズの世界的ベストセラー小説「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」(東京創元社・創元ライブラリ刊)を、『LETO -レト-』『チャイコフスキーの妻』『リモノフ』などを手掛け、現代映画界で最も特異で卓越した映像作家の一人である鬼才キリル・セレブレン二コフ監督が完全映像化。
歴史的怪物の逃亡劇を描きながら、個人の悪がどのように社会の無関心や沈黙によって支えられてきたのかを冷徹に浮かび上がらせる。
story
第二次世界大戦終結後、アウシュヴィッツ強制収容所で“死の天使”と恐れられたSS医師ヨーゼフ・メンゲレは、連合国による戦犯追及を逃れ、ヨーロッパから姿を消した。いくつもの偽名を使い分け、支援者の助けを得てイタリアへ渡ったメンゲレは、ナチ残党の地下ネットワークを通じて南米へと逃亡する。アルゼンチンのブエノスアイレスでは、ペロン政権下の混乱と黙認の空気の中、彼は比較的自由な生活を送り、同じ亡命者たちと交わりながら過去を否定し続ける。しかし、時代は移り変わる。
ナチ戦犯への国際的関心が高まるにつれ、彼の生活は次第に追い詰められていく。イスラエル諜報機関モサドによる捜索やアドルフ・アイヒマン逮捕・処刑の知らせが彼を怯えさせ、メンゲレはパラグアイ、さらにブラジルへと移動を重ねる。密林と辺境の地で彼は孤立を深め、身体の衰えと妄念に苛まれながらも、裁かれることなく歴史の影に潜み続ける――。