「シネマ組踊」は約300年間受け継がれる沖縄の伝統的歌舞劇「組踊」を新しい切り口で映像化するプロジェクト。
「孝行の巻」は組踊創始者・玉城朝薫の五番の中でも、別れの悲しみを描く「静」と、獰猛な大蛇が火を吹く「動」の対比が観るものを魅了する。
沖縄の映画制作を支える一流のスタッフが集結し、組踊の様式美や舞台ではみられない立方(たちかた)の繊細な表情、緊迫感溢れる地謡の音楽、流麗なセリフ回しなど、組踊の魅力をあますところなく映像で捉えることに成功した。
冒頭には案内人・宮城さつきによる歴史やみどころの紹介もあり、初めて組踊に触れる人も予備知識なしで楽しめる。監督は「アンを探して」の宮平貴子。
「孝行の巻」あらすじ:村に禍いをもたらす大蛇を鎮めるため、貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた姉弟は、母を助けたいと自ら生贄となることを決意する…。