『接近する映画とアート』 七里 圭 × 山城知佳子 特集上映

特集上映の情報→https://sakura-zaka.com/movie_info/13880

<七里 圭 作品紹介>

◎プロフィール
七里圭(しちり・けい)

七里 圭

映画監督。1967年生まれ。早稲田大学卒。在学中から映画の現場で働き始め、約10年間の助監督経験の後、『のんきな姉さん』(2004)で劇場デビュー。その後、『マリッジリング』(2007)のような商業映画を監督する一方で、声と気配で物語をつづる異色の作品『眠り姫』(2007)を自主製作・配給。上映10年のロングランを機にサラウンドリマスター版(2016)も製作・公開。建築家と共作した『DUBHOUSE』(2012)が国際的な評価を受ける。近年は、『To the light』シリーズ(2013~)、「音から作る映画」プロジェクト(2014~)など実験的な映画作り、映像パフォーマンスにも取り組んでいる。2017山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション審査員。

http://keishichiri.com/jp/

◎上映作品

「あなたはわたしじゃない」

上映時間=6/3(日)17:00 / 6/5(火)19:00 / 6/8(金)19:00
     6/12(火)19:00 / 6/14(木)19:00
(2018年/日本/90分)
テキスト:新柵未成
出演:青柳いづみ/長宗我部陽子/黒田育世/安藤朋子/川口隆夫
   飴屋法水 他

あなたはわたしじゃない

音(サウンドトラック)から映画制作をするという実験的プロジェクト「音から作る映画」で生み出した一作。 あの晩、私は森の中で置き去りにされた。 獣のマスクをしたあの人は、私のお母さん、だったのだろうか? どことも知れぬ白い部屋で、若い女がつぶやき続ける。 記憶とも空想ともつかぬ独白に、呼び出されるように現れる、囚われの人々。 生き惑う男に素知らぬ振りして、女たちは踊りを止めない。 母から娘へ継がれるカルマを断ち、アイデンティティのくびきから解き放たれるために。 マームとジプシーの女優・青柳いづみが映画に出演。

 

「Music as film」

上映時間=6/2(土)19:30 / 6/6(水)19:00 / 6/10(日)17:00
     6/15(金)19:00
(2016年/日本/56分)
オスカー・ワイルド作「サロメ」日夏耿之介訳「院曲撒羅米」より
音楽:池田拓実/さとうじゅんこ/徳久ウィリアム/山崎阿弥/sei/山形育弘
   長宗我部陽子/飴屋法水/多井智紀 他

Music as film

映画が音楽と出会ったのはいつのことだろう? 映画は初め、声を持たなかった。しかし、彼は聞いていたはずだ。彼を見ながら、奏でる響きを。「音から作る映画」シリーズ第一弾『映画としての音楽』のインターナショナル版。英語と日本語がくんずほぐれつ映像と音響の両面から絡まり合い、19世紀末にパリで生まれた映画と詩劇「サロメ」の奇妙な連関を語る。

 

「眠り姫 サラウンドリマスター版」

上映時間=6/9(土)12:00
(2007年/日本/80分)
原作:山本直樹 音楽:侘美秀俊
声の出演:つぐみ/西島秀俊/山本浩司

眠り姫 サラウンドリマスター版

この映画が写し出すのは、ありふれた日常の、ありえない光景。そこには人が、ほとんど姿を見せないのだ。誰もいないのに、気配だけあり、声がさざめく。それは恐ろしいほど美しい心象風景。冬の淡くうつろう光を狙い、足掛け二年の歳月をかけて撮影された映像詩が、人を写す以上に、人の孤独を、情感を浮き彫りにする。 記憶の奥深くまで語りかけてくる、奇妙な物語。そして、存在すら確かでない登場人物たち…。その声に耳をすまし、不可思議な映像に身をゆだねていると、主人公の女性・青地の心の奥底が、やがてレントゲン写真のように浮かびあがってくる。露わになった、人の心の危うさを垣間見るとき、我々は、いまだかつて観たことのない、まったく新しい映画体験をする。